平成29年 11月定例会 - 12月11日

◆二嶋宣人議員
   皆様こんにちは。自由民主党岡山市議団の二嶋宣人でございます。
 傍聴席の皆様こんにちは。本日は大変お忙しい中,この岡山市議会に足をお運びいただきまして,本当にありがとうございます。
 今回の11月定例市議会の個人質問では,大森市政2期目の重点的な課題として,4つの質問をさせていただきたいと思います。
 それぞれの質問に関連性もある内容でありますけれども,2問は総括的なもの,残りの2問は少し各論に重きを置いた内容となっております。大森市長初め所管の担当局長の皆様におかれましては,わかりやすい答弁をお願いしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 1,計画的な行政の執行について。
 国,地方公共団体などの行政機関は計画行政が本分であります。計画的に行政を進めることは,変化の激しい時代には,言うはやすしで,当局の皆さんは大変御苦労をなさっていることと思います。一方で,このような時代だからこそ,財政計画も含め,計画的に推進しなければならないと思います。第六次総合計画は,計画行政そのものであり,計画期間やKPI手法による評価も公表するようになっています。
 さて,計画行政を語る上で,現在はこの総合計画の進捗状況が評価の目安となるわけですが,総合計画の整理だけではおさまらない,まちづくりに直接大きな影響を与える事業があります。とりわけ地元住民や再開発にかかわる利害関係者など多様な主体がかかわる事業等が該当すると思いますが,基準値などに加え,プロセスの正当性が大事とも言われています。
 先日,ある会合で,熊本の大西市長は,熊本の復興シンボルとなる熊本城ホールを平成31年夏ごろまでに完成させ,文化が逃げるまちから文化を呼び込むまちへと力説されていました。この事業による市の持ち出しは約283億円に上りますが,最後は政治家としての市長の英断と責任であります。大森市長が取り組んでおられる待機児童の解消はこのような考えに近いのではないかと思うところであります。
 そこで質問します。
 (1)KPI手法は市民から見ると非常にわかりにくいと思いますが,将来的には外部の専門家が評価するなど,工夫する余地はありませんか。
 (2)市民の関心の高い大規模事業等については,進捗のプロセスを公表し,市民の意見もお聞きしながら理解を得るべきだと思います。一部の有識者だけが意見を述べる仕組みでは,市民合意からかけ離れていくのではないかと懸念していますが,市長のお考えをお聞かせください。
 (3)路面電車の乗り入れ,吉備線のLRT化はお尻を決めるべきではないかと思います。その是正も含めて,市長のお考えをお聞かせください。
 2,コンパクトでネットワーク化された快適で多様なまちづくりについて。
 私の地元では,ことし6月から岡山駅と一宮・高松方面を結ぶ民間バスの運行が大きく減少しました。さまざまな報道で,我が国全体の社会的な課題として取り上げられておりますが,人口減少が進めば,公共交通の存続は容易ではありません。平成28年度末で一宮地区の高齢化率は30.2%,高松地区は29.4%,足守地区は38.8%となっており,今後高齢化が加速することで,運転ができない,代替の手段がない,買い物や病院が身近にない,徒歩による行動範囲が狭くなるなどの課題が浮き彫りになってくると思われます。このような状況を鑑みると,自宅からスーパーや病院,また自宅から駅やバス停など,いわゆるラストワンマイルの移動手段確保が急務であります。
 そこで質問します。
 (1)ラストワンマイルの移動手段確保に対し,行政としてとり得る政策をどのように認識していますか。
 (2)現在迫川地区で運行されているデマンドタクシーはラストワンマイル解消の対策の一つとして有効だと思われます。千種地区,角山地区,馬屋上・野谷地区,牧山地区では,地元検討組織が設置され,運行計画の検討に着手していますが,デマンド交通の方向性をどのように認識していますか。また,超小型モビリティーについても方向性をお示しください。
 (3)岡山駅におけるバスの利便性向上についてお尋ねいたします。
 現在,岡山駅東口広場からは,1日約1,200便の路線バスを6つのバス事業者が運行させていますが,バス路線の経路がわかりにくい状況です。また,乗り場の表示が目立たず,位置がわかりにくい状況にあります。このため,バス路線や乗り場の位置を一目でわかるような工夫をすべきと考えますが,御所見をお聞かせください。
 次に,吉備線のLRT化についてお尋ねいたします。
 市長は,事業費について精度を一層上げることなど,本年度中にめどを立てる方針を示されました。私も早期実現を期待している一人ですが,そもそもなぜLRT化するのか,沿線地域のまちづくりを含めたグランドデザインの構築をどう考えているのかなどといった市民の声も伺っています。市民への周知,説明と理解が進んでいるようには思えません。
 そこで質問します。
 (4)平成28年5月以降,岡山市長,総社市長,JR西日本岡山支社長による会談が開催されていない状況から,話し合いは難航していると考えてよろしいですか。構想全体の進捗状況をお聞かせください。
 (5)市長は,吉備線沿いのまちづくりにLRTが有効と考え,再び検討することに至ったものと認識しています。沿線地域,岡山市全体のまちづくり,JRの相乗的な効果など幾つかの視点から総合的に判断されたのだと思いますが,改めてこの点についての認識をお聞かせください。
 3,市長選挙を振り返って。
 市長は,選挙期間中,多くの地域を回り,たくさんの市民の生の声を聞かれたと述べておられます。我々市議会議員も同様のことですが,市役所から見る地域課題と住民が感じるさまざまな不安には少しギャップがあるように感じられます。
 2期目の当選後には,周辺地域の振興,活性化を重要課題の一つに掲げられ,さきの提案理由において,合併特例債を積み立てた35億円を活用すると述べておられます。中山間・周辺地域の課題は,高齢化,人口減少や過疎化が追い打ちをかける全国津々浦々で深刻なものとなっていますが,成功モデルが確立されたという段階ではありません。
 さて,国は,現在地方創生を推進していますが,振りかえると,20年前から地域振興,活性化などの施策を講じてきたわけですが,大きな政策として,構造的なところに着眼しないと目的と手段が乖離することは当然の摂理であります。
 一方,民間は,人口減少による競争激化などで懸命にビジネスモデルを模索しているわけですが,例えば周辺地域において,介護事業者による一般客の送迎サービス,スーパーや通信事業者による食材等の宅配サービスなど,生き残りをかけた新ビジネスが始まろうとしています。民間の柔軟性,ニーズに基づくビジネスの発掘,スピード感など,学ぶところが多いように感じます。
 そこで質問します。
 (1)市長が現時点で考える周辺地域の対策について,構想レベルでも差し支えありませんので,お聞かせください。
 おととし実施した周辺地域のアンケートにはヒントはありませんか。
 (2)行政には限界があります。先ほど紹介もさせていただきましたが,周辺地域の対策には官民連携という手法もあります。岡山市と意欲のある民間と連携する枠組みは考えられませんか,市長のお考えをお聞かせください。
 4,ホストタウンとキャンプ誘致について。
 2020年東京五輪・パラリンピックに参加する国や地域と交流する取り組みで,事前合宿地として選手を招き,市民同士の文化交流などをするホストタウンは,経済効果,知名度アップ,その後のインバウンドなどにつながる効果もあり,各自治体がしのぎを削っている状況となっています。
 本市は,ブルガリア共和国の登録が決定しており,バドミントン代表が,先月29日から今月10日の間,市内で強化合宿を行っています。選手の高い技術,スポーツマインド,迫力のあるプレーは,次代を担う子どもたちにとって,わくわく感とともに,夢と希望を与えるまたとない機会であります。
 東京五輪・パラリンピックのホストタウンを契機として,ファジアーノ,シーガルズがあり,スポーツを通じたまちづくりの土壌がある本市に新たなムーブメントを起こしませんか。
 そこで質問します。
 (1)ネーミングも含め,内外にインパクトを与えることも大事だと思いますが,関係各課で構成されているスポーツコンベンション誘致推進プロジェクトチームを無にしないためにも,オリンピック・パラリンピック推進担当などを配置するお考えはありませんか。
 (2)事前キャンプ,ホストタウン交流事業を通じて,地域との連携などが明確になっていないように思いますが,どのような認識でしょうか。
 (3)事前キャンプに当たっての市と県の補助制度では別々に申請することになっています。行政の縦割りによる弊害ではないかと懸念していますが,それぞれの実績と課題の認識をお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の御質問にお答えします。
 まずは,計画的な行政の執行で,進捗プロセスを公表して,市民の意見も聞きながら理解を得るべきだということですが,おっしゃるとおりだと思いますね。私もできるだけ透明性の確保を図ることが行政の公平・公正な運営をしていくかなめであると思っております。できるだけの発信を行い,情報公開についても真にやむを得ないものを除いては公開していくという原則でずっとやらせていただいたところでございます。
 大きな事業,例えば路面電車の駅前広場乗り入れとか,県庁通りの1車線化などなど,市民の関心が高く,市民生活に大きな影響を及ぼす事業については,可能な限り政策形成過程をオープンにするとともに,幅広い方の御意見をお伺いすることで,市民の皆さんの御理解を得ながら進めるように心がけているところであります。この本会議の場でも,私はできるだけそういうふうにさせていただいているところであります。
 次に,周辺地域の対策の構想,構想段階でもいいが何か言えるものはないのか,あと意欲のある民間と連携する枠組みは考えられないかということでありますが,ここでもお話し申し上げましたけども,周辺地域において持続可能な地域づくりを進めるためには大きな2つの視点が必要だろうと思っています。1つ目が,コミュニティービジネスなどの地域活力創出型といいましょうか,そういった視点,もう一つの視点が地域における生活機能・サービスの維持,確保ということだろうと思います。
 これらに当たって,二嶋議員が挙げられたような官民連携といいますか,民間のNPO法人や民間企業等の取り組みを支援していきたいと思っております。
 制度設計はこれからなんで何とも言いようがないんですが,私が今ちょっと考えているようなイメージとすれば,現在,例えば農業振興,農業の問題も,さまざまな方が悩みながら動いているところでありますが,例えば障害を持った方が農業に従事するというような,そういう動きもあります。それとか,きょうも空き家の話がございましたけども,古民家を利用して,宿泊,カフェ等々をやっていこうというような動きもないわけではありません。ただ,そういったものというのは,やっぱり初期投資の負担が相当大きいというようなこともありますから,その負担軽減につながっていって,そういうビジネスが立ち上がっていけばいいのかなと。だから,その面からいきますと,周辺地域のベンチャー支援といいますか,インキュベーターといいますか,そんな機能もここで果たせればいいなというのが今の私の率直な感じであります。
 意欲のある多様な主体をハード,ソフト両面から支援していきたいと思っております。これからが制度設計になります。来年度予算までにどこまでの詳細が決められるかわかりませんが,大枠だけは決めて来年度予算に臨みたいと思っております。
 以上です。
   
◎鉄永正紀政策局長
   計画的な行政の執行についての項,外部の専門家の評価についてお答えいたします。
 総合計画を初め各種計画の推進に当たりましては,PDCAサイクルの考え方に基づいた進行管理を行うこととし,事業の進捗状況や成果指標について一定の基準を設けた上で,定性的,定量的な評価を行い,必要に応じて外部有識者等からの意見聴取を行っているところです。
 今後とも,施策や事業の進捗状況について,積極的に情報発信を行うとともに,外部からのさまざまな御意見をお聞きしながら計画を推進してまいりたいと考えております。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,路面電車の乗り入れ,吉備線のLRT化のお尻を決めるべきではないかというお尋ねです。
 路面電車の駅前広場への乗り入れと吉備線LRT化については,平成26年度から本格的な検討を進めており,いずれもできるだけ早期に方針を決定する必要があると考えております。
 路面電車の駅前広場への乗り入れについては,まずは現在行っているレイアウトの計画案を早急に取りまとめたいと考えております。
 吉備線LRT化については,岡山市,総社市,JRの3者の役割分担や費用負担について,今年度中に一定のめどを立てることとしております。
 続きまして,コンパクトでネットワーク化された快適で多様なまちづくりについての項,順次お答えいたします。
 いわゆるラストワンマイルの移動手段の確保についてどのように認識しているのか,デマンド交通の方向性,超小型モビリティーの方向性についてというお尋ねです。
 議員御指摘のとおり,周辺部における移動手段の確保は非常に重要であると認識しております。このことから,現在策定中の総合交通計画においても,都心での利便性の高い公共交通網の形成や都心と拠点との間の公共交通の利便性向上とともに,周辺部の各地域内において移動手段を確保するための新たな生活交通の導入を重要施策として位置づけることとしております。
 デマンド型乗り合いタクシーは,乗用車を活用するため,狭い道路に面した居住地に近い場所で乗りおりできることや,乗り合いでの利用を前提とするため,タクシーよりも安い運賃設定が可能となること,予約に応じて運行するため経費を抑制できることなどのメリットがあり,ラストワンマイルの移動手段として非常に有効であると認識しており,現在迫川地区を初めとする5地区において導入検討に取り組んでいるところでございます。
 また,超小型モビリティーについては,日常生活での移動手段としての可能性を探るため,犬島,妹尾,平津地区の住民の方に利用していただくモニター実験を実施しているところでございます。今後,実験を通じて得られた利用者からのアンケートやヒアリング結果などを踏まえ,日常生活におけるラストワンマイルの移動手段としての有用性を検証してまいります。
 次に,バス路線の乗り場の位置を一目でわかるように工夫すべきではないかとのお尋ねです。
 バス路線や乗り場の位置に関する情報提供については,現在岡山駅東口広場と東西連絡通路にえきバス時刻表を設置し,方面別の路線バスの時刻表や乗り場,発車までの待ち時間などを表示しております。さらに,バスの利便性向上を図るため,東口広場における経路や乗り場を示すわかりやすい案内板の設置などについて事業者とともに検討してまいりたいと考えております。
 次に,吉備線LRT化についての構想全体の進捗状況はというお尋ねですが,吉備線LRT化に関する総社市,JRとの話し合いの状況や進捗状況については,楠木議員に御答弁したとおりでございます。
 最後に,LRT化による吉備線沿いのまちづくりへの有効性についてですが,吉備線沿線のまちづくりについては,一宮・高松方面の連携軸強化を図る必要があり,その有効な手段としてLRT化の検討を進めているところです。LRT化によって,高頻度運行や新駅設置,バリアフリー化など,吉備線の利便性が向上するとともに,駅前広場やアクセス道路の整備によって地域の交通ネットワークが強化され,沿線を含む周辺地域の活性化や吉備路の観光振興が図られるものと考えております。
 以上です。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   ホストタウンとキャンプ誘致について答弁いたします。
 まず,ネーミングも含め内外にインパクトを与えることも重要では,担当を配置してはとのお尋ねですが,現在,スポーツ振興課スポーツ誘致推進室でキャンプ誘致やホストタウン事業の推進を重点課題として取り組んでおり,庁内組織であるスポーツコンベンション誘致推進プロジェクトチームを通じて,盛り上げを図っていくための情報交換を進めております。今後,一層の盛り上げに向けて,内外の連携を強めてまいりたいと考えております。
 次に,事前キャンプ,ホストタウン交流事業で,地域との連携などが明確になっていないのではとのお尋ねですが,きのうまで実施されましたブルガリア共和国バドミントンナショナルチームの岡山市内でのキャンプにおきましては,バドミントンをしている小学生や高校生などとの地元交流事業や経済界との交流会が実施されたところです。今後は,地域や民間団体などとの連携を一層深めることにより,事前キャンプやホストタウン交流の効果が岡山市全体に及ぶような仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。
 最後に,事前キャンプに当たっての市と県の補助制度では別々に申請することになっているが,その実績と課題についての認識を示せとのお尋ねでございます。
 岡山市と県の補助制度がそれぞれあることにより,双方に対して申請手続が必要でありますが,申請書の様式を県と統一したり,キャンプ実施者には県と一緒に申請書の話をするなど,簡素な手続で終えることができるよう配慮しております。キャンプの誘致活動につきましては,県と連携を図りながら実施しており,今年度,ブルガリア共和国バドミントンナショナルチームを含めて,岡山市は6件,岡山県は8件の実績がございました。今後も,キャンプ実施者などの御意見等をお伺いしながら,円滑な補助制度の運用に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   市長を初めとする当局の皆さん,答弁ありがとうございました。
 まず最初の計画的な行政の執行についてから入らせていただきます。
 路面電車の乗り入れ,吉備線のLRT化の期限というか,お尻を決めるべきではないかということで,局長から答弁をいただいたわけであります。
 行政機関,つまり岡山市には,岡山市民のためのまちづくりを目指す上で,計画的に行政を進めていくことが求められていると思います。そういった中で,最後には政治家としての市長の英断と責任が問われてくることも出てくると思います。これまでもそういった場面が幾つかあったと思います。
 局長から答弁をいただいたわけでありますけども,路面電車の乗り入れ,そして吉備線のLRT化について,現時点で大森市長が考える英断する環境とか条件はどのようなものなのか,そのあたりについての御所見をお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   判断をいつしていかなければならないか,そのための環境づくりを今しているところでありますけれども,吉備線のLRT化の問題については,先ほど楠木議員の質問にもお答えしました。まず,私としては,やる意味は大いにあるだろうと思っています。沿線住民の利便性の向上だけじゃなくて,そのフィーダー交通をやることによって,大きなエリアの人々がその公共交通,LRTを使って行き来ができる,非常に利便性が上がっていくだろうと思っています。
 ただ,これについては,やはりおのずから市民の税金を使っていくわけなので,その費用面の負担も一定の,我々における常識の範囲内におさめていかなければならないと思っているところであります。
 先ほどの楠木議員にもお答えしたところですが,今は3者間で合意が見出せる状況にはなっておりません。非常に厳しい状況になっているところでありますが,これについては,この本会議でも申し上げたように,今年度内に一定のめどを立てたいと思っております。
 路面電車の乗り入れですが,これも私は,岡山市民,そして岡山を訪問していただく方にとって非常に利便性は上がっていく,高齢者の方などにとっては本当になくてはならないものだろうと思っているところであります。そういう面で,前に進めたいとは思っておりますが,今は関係者の理解を得るべく努力しているところであります。一つの大きなめどというので,やっぱり来年度予算をどういう形で予算提起できるかというのが一つのポイントであろうと思っております。2月議会に我々としてどういうものを出していくのか,そこで1つ大きな節目を迎えるのではないかと思っております。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございます。もちろんそのとおりであると思います。来年度予算に向けてのある程度の方向性をしっかりとまた精査していっていただけたらなと思います。
 そういった中で,局長,JR側にもやっぱりこの吉備線のLRT化における活路についてしっかりと知恵を絞ってもらわにゃいけんなと思っているわけであります。JR側のメリット……,交渉事なので細かい部分までお話しすることはできないのかもしれませんけれども,この交渉に当たって,事業費はさることながら,本市はどういった吉備線のアクセス強化に対して策を示してきたのか,また思い描いているのか,そこのあたりについてお話ができる範囲でお聞かせいただけたらと思います。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   JRとの協議の内容とそのアクセスといったところがちょっとよくわからなかったんですが。
   
◆二嶋宣人議員
   吉備線のアクセス強化策についてこれまでJRとの交渉の中で岡山市としてどういったものを示してきたのか,また岡山市としてどういったものを思い描いてきたのか,そこのあたりについてお聞かせください。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   岡山市のほうで考えている吉備線のアクセス強化については,パーク・アンド・ライドであったり,今足守地区から生活交通バスも吉備線に向かって走っております。こういうものをいかに連続するような形で接続できるのか,こういうところが重要なポイントだろうと考えております。
   
◆二嶋宣人議員
   最初の質問の計画的な行政の執行についての中でも触れさせていただきましたけれども,市民の関心の高い大規模事業など,先ほど市長からもお話が出ました。例えば市民会館もそうだと思いますし,路面電車の乗り入れであったり,また今議会でも出た本庁舎の建てかえの件もそうだと思います。そして,この吉備線のLRT化でありますけれども,事業費等の精度を上げることはもちろん重要であるわけですが,一方で,このプロセスを透明化していくということも市長は強調されていました。それよりも,さらに市民の理解,そして市民への周知,説明は非常に重要な部分,ウエートを占めてくるんだろうなと,私は地元住民として感じているわけであります。
 同じように,きょう楠木議員の質問の中でもそういったことでLRTの導入を目指す宇都宮市の話を挙げていたと思います。やっぱり市民に対して不十分な説明であれば,見直しの声が当然出てくるわけであります。そういった中で,宇都宮市はさまざまな困難に一つ一つ丁寧に向き合いながら,事業着手のための本格的な準備を今進められていると思います。
 例えば富山市や広島市のLRTサイトの動画の配信であったりとか,また広島電鉄から職員を派遣してもらったりとか,整備室に30名程度の大きな規模で職員を配置するなど,多くの産みの苦しみを伴いながら,事業の推進であったり,市民の理解を得る取り組みに力を入れていると私は思っているわけであります。
 岡山市においても,これまで沿線住民との意見交換会を行ってきたと思います。この事業を知らない市民の方も多い中で,市民全体の理解を得る取り組みについては,やっぱりそういった市民から大きなムーブメントを起こすということも,この吉備線LRT化を前進させる手法の一つだと思うわけでありますけども,そこのあたりについて御所見があればお聞かせください。
   
◎林恭生都市整備局都市・交通・公園担当局長
   議員おっしゃられたのもごもっともだと思います。しっかり地域の方あるいは市民と議論を重ねて計画案をブラッシュアップしていく必要があると思います。
 ただ,その一番もとになる計画案がきちっとつくれて発表できるものにならないと,話もできないわけで,今はまだそれをつくっている段階ということで,先ほども,そこは今ちょっと厳しいということでもありました。できるだけ早くそこのところを整理いたしまして,皆さんにお話しできるようにしたいと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   どちらが先かという話もあるわけでありますけども,そこの議論はさておき,市長からもお話がありましたが,楠木議員の質問に対する答弁の中で,非常に厳しい状況と言ったわけであります。費用負担が非常に厳しい状況ということだけを聞かされても,私どうやって市民の方に説明すればいいかよくわからないものですから,それは費用負担だけの問題なのかどうか,非常に厳しい状況とはどういった状況なのか,改めてお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   今,やはり費用負担の問題が最大の問題になっております。ここで私個人としては非常に詳細にお話ししたいところであります。しかしながら,相手方は上場している民間企業であるわけであります。そういう面では,今,事の詳細まで赤裸々にお話しすることはちょっとできないところもございます。
 ただ,やっぱり途中経過はきちっとお知らせをしなければならないということで,きょうこういう形でお話しさせていただいているということで御容赦をいただければと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   市長,ありがとうございます。
 了承をお願いされたついでにもう一問,質問させていただけたらと思いますけども,私も実現してほしいと願っている一人であるわけですが,仮に本年度中に一定のめどが立たなかった場合,市としてはどういった方向性,政策を打ち立てていこうと考えているのか,市長,お答えいただけますか。
   
◎大森雅夫市長
   二嶋議員からなかなか厳しい御質問をいただきました。我々,やっぱり施策を講じるときは,さまざまなリスクを考えながら,これができなかったらどうするかというようなことは,常々そういった,二番手の対応というのか,いい表現がなかなか出ませんけど,そういうことは考えているところであります。しかしながら,今LRT化が非常に厳しい状況と申し上げただけで,合意ができる可能性も私はあると思っております。そういったときに,仮にというような話をここで申し上げることは私はふさわしくないだろうと思いますので,こちらも2つ目の御容赦をいただきたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   了解いたしました。
 市長選挙を振り返っての項に移らせていただきます。
 周辺地域の対策について,構想レベルであったり,民間と連携する枠組みについて市長から御答弁をいただきまして,ありがとうございます。また,一歩踏み込んだ2つの柱とプラスアルファの方針を少しお話しいただけたと思います。
 先日の新聞では,松尾芭蕉の不易流行という言葉を引き合いに,地域が生き残りをかけるときに,イノベーションと,今ある変化しない本質的なものを生かすバランスの重要性について述べられており,その中で,倉敷市の,いわゆる日本初の国産ジーンズ,こういった地域資源を生かした官民連携の取り組みが例として挙げられていたわけであります。市長が本議会でも述べられたSDGsの考え方もその考え方に近いのではないのかと思っているわけであります。
 市長は,今回の提案理由で,この周辺地域の振興,活性化を掲げ,多くの議員の方々が質問されたわけでありますけれども,多様な主体と一緒に地域の将来像のことを考えると常々述べていらっしゃいます。私は,その点においてはすごく期待しているわけであります。
 しかし,35億円,10年間ということでかなり期間も長ければ,財源も限られた中でありますので,先ほどもいろいろとるる述べられましたけれども,事業の内容の選択と集中がやっぱり必要になってくるんではないのかなと私は思っているわけであります。地域資源であったり,人材の掘り起こし,そしてその魅力を高めていくためには,やっぱり思い切って,事業の中身はもう民間に全てを任せると,そして管理は行政が行うといった視点で,柔軟なアイデアを得る意味ではこういったことも必要なのかなと思い,リード文に書かせていただいたわけであります。
 その点も踏まえて,この周辺地域の活性化に対する市長の意気込みを再度お聞かせいただけたらと思います。
   
◎大森雅夫市長
   今回の選挙戦を通じまして,周辺地域の方といろいろとお話しさせていただきました。非常に不安も抱えておられる,そういったことがどこまで払拭できるかわからないんですけれども,できることはやっていこうじゃないかというようなところで今,二分類を申し上げたところであります。
 二嶋議員もおっしゃるように,私も,できるだけこれは民が中心となってやっていくべきだろうと思っています。
 ただ,その具体的な手法については,まだまだ整理できていないところでありまして,先ほど申し上げたように,予算の段階でも多分大枠の議論だろうと思っております。ただ,額としては非常に大きな額があるということもありますので,私はそれらをうまく有効に活用していけば,大消費地も近くにあるわけですから,それぞれの周辺地域の活性化には十分役立つだけのものがこのプロジェクトには存在しているんじゃないかなと思います。また御意見がございましたら,周辺地域の方々,また中心部の方でももちろんいいわけでありますので,お伺いできればと思います。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。これからでございますので,しっかりと注視しながら,また議論も重ねていきたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。
 そして,最後の項,ホストタウンとキャンプ誘致についてであります。
 局長,ありがとうございました。第3次申請に持ち込んでまでも本市はこのホストタウン登録にこだわったというか,目指したわけであります。ホストタウンの推進における国の狙いは,これまでも話してきた地域振興であったり,活性化であるわけでありますけども,まさに地方に強い経済をつくるといったことであると思います。
 大きな経済効果が見込まれているこの東京五輪・パラリンピックでありますけれども,ホストタウンも含めて,まだまだ地方にはしっかりと浸透してきているような感じではないといった状況に私自身は感じているわけであります。局長も,国がbeyond2020プログラム事業を展開していることは御存じだと思います。これは,日本文化,伝統的な芸術から,クールジャパンとして世界中が注目している,例えば和食などの食文化であったり,祭りや伝統的工芸品など多様なものがあると思います。こういったいわゆる文化にかかわる幅広い活動を国が認証している事業であり,各自治体,NPO,あらゆる団体がいろいろと取り組んでいるわけであります。
 こういった観点も最大限生かしながら,これまで地域を巻き込むスキームをつくるようにということで私常々訴えさせていただいていました。今回のブルガリアのバドミントンの件に関しても,地域との連携がとれていたということでありますけども,今後,こういったことをどんどんどんどん加速させていくためには,やっぱりしっかりとしたフレームというか,スキームが必要だと思うんですよね。例えば連合町内会であったり,婦人会であったり,学校であったり,そういった巻き込むスキームを具体的に考えているんですかといった意味での質問でしたので,そこのあたりについて改めてお聞かせください。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   おっしゃられるように,地域の方々を巻き込んで盛り上げといいますか,地域振興につなげていくように行っていきたいとは思っております。
 ただ,我々も経験のない中で,いろいろ行いながら,状況確認しながらやっているという状況でございまして,今感想として思っておりますのは,先ほどもお話ししましたように,実際にこれまで6つの競技チームといいますか,来ていただいたんですけども,直前まで日程とか,どういった選手が来るであるとか,岡山に来た場合の行程がどうなるかとか,そういったものが直前までなかなか固まらないと。相手は競技団体であり,自治体同士の交流とかまたそういったものとは全然違いますので,もう直前までなかなか決まらないというような状況の中で,例えば10日間合宿といいますか,岡山に滞在していただく中で,いわゆるオフの日はたった1日だけというような状況の中で何をやっていただけるのかというようなこと,そういうことも考えていかなきゃいけないというような状況がございます。
 ただ,幾つか経験してきておりますので,そういったものを踏まえながら,今後,さっきお話がございました町内会であるとか,婦人会であるとか,そういった地域の団体の方々も含めて,どういうかかわりをしていただけるかということでいろいろ考えていかなきゃいけないなと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひよろしくお願いいたします。
 苦労されていることは重々承知しております。とりわけ今回のブルガリアのバドミントン代表をお呼びするときに,いろいろな職員の方が苦労されたということも伺っています。しかし,このホストタウン登録したブルガリアと,どういった関係,どういった事業を展開していくかといったことは非常に重要なことだと思います。このブルガリアに対する事業展開をどのようにお考えなのか,お聞かせください。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   バドミントンのナショナルチームに来ていただいたんですけども,それ以外に,今年度,ブルガリアの関連でいいますと,大相撲の元琴欧洲の鳴門親方に,秋のおかやま桃太郎まつりに来ていろいろ話をしていただいたりとか,小学校のほうへ行っていただいたりとか,そういうことをやってきております。
 あとは,公民館,図書館でブルガリアの図書コーナーとかそういったものをやっているというような状況で,いわゆるキャンプだけではなくて,このホストタウンの大きな目的としまして,先ほどおっしゃいましたような文化の交流であるとか,あと共生意識の醸成であるとかといったものもありますので,そういったものも含めて,今後どういった市民の方を巻き込んだ事業展開が可能かというのを考えていきたいと思います。
   
◆二嶋宣人議員
   再三地域を巻き込んでいってほしいといった質問をさせていただいています。地域を巻き込むためには,地域資源をどう生かすかといったことをしっかりと考えていかなきゃいけないと思います。
 質問のリード文の中で,岡山にはファジアーノがあって,シーガルズがあってといったこともうたわせていただきました。事前キャンプにおいては,シーガルズが練習相手になるなどの連携,交流が図られていることは承知しています。
 では,このホストタウン交流という観点から見て,この2チームとどのような連携,役割を果たすことが,新たな流れ,地域の活性化につながるとお考えなのか,そのあたりについてお聞かせください。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   シーガルズとファジアーノの2チームと連携しながらどういう形でホストタウン事業を展開していけるかということですけれども,端的に言いますと,バレーボールとサッカーのチームとかに来ていただくということになるんだろうと思うんですが,ただやはりオリンピック・パラリンピックへ参加していただけるようなナショナルチームでないとなかなか来ていただけないのかなということもあります。実際,シーガルズに関して言いますと,今年度ホストタウンではないんですけれども,フィリピンの女子バレーボールチームに来ていただきまして,実際シーガルズの方にも大変お世話になりました。あと,文化面とかそういった関係で,シーガルズ,ファジアーノに直接ということはなかなか今思い浮かばないんですけれども,そういったバレーボールであるとかサッカーであるとか,もし来ていただけるような話があれば,ぜひ御協力をいただきたいなと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   いろいろと局長から答弁をいただきました。機は熟し,今しかないと私自身は思っているわけであります。事前キャンプ誘致,ホストタウン交流を進めるに当たって,私いつも聞いているんですけど,市長が,最終的に岡山市にこのホストタウンを通してどういったムーブメントを起こしたいのか,今の段階でお答えできる範囲でお答えいただいて,私の最後の質問とさせていただきます。
 御答弁よろしくお願いいたします。
   
◎大森雅夫市長
   ホストタウンに関していくと,岡山市とプロヴディフが姉妹都市であるということで,まず私のほうで駐日のブルガリア大使のところに行きました。なかなかいい感触でしたけれども,すぐ大使がかわるということもありまして,新しい大使ともまたすぐ会い,お話を申し上げました。そこでは,単にこのスポーツというだけじゃなくて,やはり文化交流,いろいろとやっていこうじゃないかという話をさせていただいたところであります。
 実際上も,今高校生の交流とかやらせていただいていますが,この前事前キャンプの調印をやったとき,駐日のブルガリア大使までこちらへ来られまして,佐々木副市長が,後楽園,岡山城も御案内して,非常にいいムードになっております。そういう人的関係をより円滑化して,プロヴディフ,そしてブルガリアとの関係が今まで以上にいい形になればいいかなと思っているところであります。
 それとともに,やはり岡山のスポーツ,そしてコンベンションをより推進させていくという意味からも,事前キャンプのオファーをさまざまなところにやっていかなきゃならないと思っています。
 先ほど,ファジアーノ,シーガルズの話が出ましたけども,それも一つですし,今回スペインの柔道連盟とも調印を行いました。これは,やっぱりIPUの柔道の施設が非常にいいということとともに,練習相手がいるということなんですね。だから,いろんなやっぱり要因があるんだろうと思うんですけれども,フィリピンのバレーボールチームはシーガルズの監督に動いていただいて実現したというところもあります。いろんなルートを使いながら,より岡山のまちが盛り上がっていくということで,ホストタウン及び事前キャンプ誘致を頑張っていきたいと思います。
 以上です。