平成30年 11月定例会 - 12月6日

◆二嶋宣人議員
   皆様おはようございます。自由民主党岡山市議団の二嶋宣人でございます。
 傍聴席の皆様おはようございます。本日は足元の悪い中,この岡山市議会のライブにお越しいただきましてまことにありがとうございます。
 それでは,早速ではございますけれども,通告に従いまして質問に入らせていただきます。
 1,岡山駅周辺の将来展望について。
 最近のトレンドとしてえきまちというキャッチコピーをよく耳にいたします。福岡市や広島市などで,駅を中心とした都市再開発によるハード面の整備とともに,若者を中心に新たなえきまち文化が生まれています。担当者の方にお話をお伺いしますと納得させられるロジックがあるわけですが,1日当たりの乗降客数を見ますと,博多駅は約29万2,000人,広島駅は約15万4,000人と言われています。これだけの往来者を商圏だけではなく居住圏として,さらにエンターテインメント性などが加わることにより新たな都心を形成する構想であります。
 岡山駅の乗降客数は1日当たり約13万7,000人程度と言われていますが,広島駅とほとんど遜色はありません。大森市政により路面電車の乗り入れに加え,駅前広場のデザインの変更,東口の再開発事業などが相乗的に動き出し,他都市の動きも見ながら中・長期的に全体を俯瞰した構想を考えておきたいと思うところであります。
 そこで質問します。
 (1)路面電車の乗り入れについては市民の大きな関心事でありますので,今後の動きなど特筆すべきことがあればお聞かせください。
 (2)駅前広場のデザインについて,先月2日までパブリックコメントを募集されておられました。詳細は常任委員会に委ねますが,主要な意見などがあればお聞かせください。
 (3)東口の再開発事業についてでありますが,いろいろな情報が飛び交っています。議会としても駅前広場のデザインとの関係性などをしっかり議論する必要がありますが,このことも含め進捗状況をお聞かせください。
 (4)先日,東口から西口方面まで通り抜けてみましたが,駅西口の開発はリットシティビル建設で終わってしまったような印象を受けます。当日もコンベンションでにぎわっていましたが,今後の再開発などの動きがあればお聞かせください。
 (5)東口と西口を一体的に捉えると,他都市以上にポテンシャルがあり,可能性のあるエリアだと思うところですが,将来方向も含め岡山駅周辺をどのように位置づけ,どう生かしていくのか,お考えがあればお聞かせください。
 2,本庁舎の建てかえとまちづくりについて。
 先日の市長の定例記者会見において本庁舎の建てかえの基本構想が報告され,規模や事業費,分庁舎の取り扱いなどを新聞紙面で知ったところであります。具体的なことは今後の基本計画,詳細計画などで明らかにされていくと思われますが,市民の声,議員の意見も十分反映していただきたいと思うところであります。とりわけ7月の豪雨災害の教訓を本庁舎の機能にどのように生かすのか,この機会にハード面のみならず,報道でも課題として取り上げられていましたが,市民への緊急連絡手段の確保,避難所マップなどソフト面についても再検討をいただきたいと思うところであります。
 さて,本庁舎の建てかえを単体として捉えるのではなく,大供周辺のまちづくりの総体と考えることが大事だと思います。市議会にも商工会議所や岡山大学などからバレーボールのアリーナ構想の提言をいただいておりますが,これも一つの例として,市役所を訪れる方が行政手続だけはなくて,憩い,学び,そしてまちづくりや防災活動などに協働する空間になれば大変すばらしいものになると思います。ぜひ防災対策,耐震対策の一環にとどまらず,岡山市の百年の計にふさわしい事業として,まちづくりも含めた構想にすべきと思いますが,そのような観点から幾つか質問させていただきます。
 (1)東京都などは,区役所の建設をする際にPPP事業手法を採用しています。ぜひ検討すべきと思いますが,市長の御所見をお聞かせください。
 (2)基本構想の段階で執務機能や防災機能以外にどのような機能を盛り込んでいく予定なのか,お聞かせください。
 (3)まちづくりと一体的に考えるべきだと思いますが,市長の御所見があればお聞かせください。
 (4)市役所を中心に都心の核の一つができれば,まちづくりにつながると思います。イトーヨーカ堂の跡地のマンション群なども含め,将来的には路面電車の整備など付加価値が必要になると思いますが,御所見をお聞かせください。
 3,京橋周辺のまちづくりについて。
 前議会で,同時期に開催される岡山芸術交流と瀬戸内国際芸術祭の連携として,京橋と瀬戸内国際芸術祭の会場である島を結ぶ船の運航を提案させていただきました。大森市長の答弁では,フィージビリティーを確認しつつ,大きな効果が期待できるとすれば協力はやぶさかではないとのことでした。その後,官民で構成される表町商店街活性化プロジェクト推進協議会によって,定期船の運航を目指し新会社が設立されました。
 実現に向けて大きく動き出したと思われる中で,今後,本市としてどのような協力をお考えなのでしょうか。また,このことで京橋周辺及び岡山市のまちづくりにどういった効果が得られるとお考えなのか,御所見をお聞かせください。
 4,桃太郎線LRT化について。
 (1)桃太郎線LRT化は長年の案件であり,沿線地域住民は早期の事業化,運行を待ちわびています。今年の4月4日,大森市長の英断により桃太郎線をLRT化することで3者合意がなされ,大きな一歩を踏み出しました。基本計画の策定に当たっては,地域住民の声を反映して1年程度をめどにとのことでありました。現時点では沿線地域の方の意見を伺う説明会はまだ開催されていません。そろそろ具体的な時期を示すべきではありませんか。
 (2)沿線周辺における人口集積地をカバーする新駅の設置になると思われますが,新駅配置場所の考え方についてお聞かせください。また,今後,沿線地域の方への説明会にて示す既存駅移設,新駅設置案があれば具体的にお示しください。
 (3)基本計画の策定に当たり,民間への業務委託がなされています。実施される業務内容,調査内容,そして現時点で示すことができる調査結果があればお聞かせください。
 5,健康福祉・環境都市岡山について。
 (1)G20岡山保健大臣会合。
 ア,来年10月19日,20日の2日間,本市でG20岡山保健大臣会合が開催されます。日本での開催が初めてとなるG20サミットで本市が関係閣僚会合の開催場所に選ばれたことは光栄なことであり,ぜひとも健康福祉・環境都市を目指した取り組みを世界に情報発信し,本市の魅力,経済力アップなどにつながることに期待しているところであります。まず,今会合に向けて開催するエクスカーション,プレイベント,サイドイベントはどういった観点での事業にしようとお考えなのでしょうか。また,どういった波及効果を期待しているのか,お聞かせください。
 イ,今会合を機に本市の保健医療の目指す姿についても議論されていると伺っています。目指す姿とはどういったものなのでしょうか。
 (2)健康寿命の延伸,フレイル対策。
 ア,人生100年時代を迎えた今,健康寿命の延伸がより重要となっており,本市でもいろいろな観点から取り組みがなされています。まず,近年提唱され出したフレイル対策について質問します。
 フレイルとは虚弱,老衰,脆弱などを意味し,多くの方はフレイルを経て要介護状態へ進み,早期からの介入が効果的であると言われています。そのためには,医療関係団体や在宅医療・介護にかかわる専門職が参画し,協働して実施していくことが重要と考えます。現在,本市はフレイルに関する取り組みについてどのようにお考えでしようか。
 イ,フレイルの一つであるオーラルフレイルは,滑舌低下,食べこぼし,口の乾燥等の口腔機能のささいな衰えであります。これは健康と機能障害との中間にあり,可逆的であることが大きな特徴の一つです。つまり早期の適切な対応により健康に近づきます。現在,この観点から,本市では岡山市歯科医師会と連携してオーラルフレイルの啓発,予防事業を検討しているとのことですが,今後どのように進めていくお考えなのでしょうか。
 ウ,口腔機能のささいな衰えを放置しておくと社会性の欠如(口臭など),低栄養(食べにくさ)などから運動量の低下,全身の筋力低下を招き,その結果,そしゃく力,嚥下能力などの口腔機能が低下し,低栄養,サルコペニア──このサルコペニアとは加齢による骨格筋量の低下を意味します──を引き起こすという負のスパイラルから抜け出せなくなり,いずれ要介護状態に至ってしまいます。したがって,高齢者が健康な状態のときから定期健診などを受け,早期に対応することが効果的であります。
 そこで,市民の方にオーラルフレイルを正しく理解していただき,フレイル予備群の高齢者を支える応援者となるように,認知症サポーター養成事業のような形式でオーラルフレイルサポーター養成事業を実施してはいかがでしょうか,御所見をお聞かせください。
 以上をもちまして1回目の質問を終わらせていただきます。(拍手)
   
○宮武博議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎大森雅夫市長
   それでは,二嶋議員の質問にお答えします。
 私は,本庁舎の建てかえとまちづくりということで,PPP事業手法の検討ないしはどのような機能を盛り込むのか,まちづくりと一体的に考えるべきだと思うがという点についてお話を申し上げたいと思います。
 今のこの市役所ですが,昭和23年10月にここに整備されたようであります。70年間ということでありまして,岡山市のランドマーク的な役割は果たしているんではないかなと思います。そしてまた,この大供周辺といいますか都心の1qスクエアに隣接している中心市街地に位置しているわけでありますから,当然まちづくりという視点は欠かすことはできないんじゃないかなと思います。機能の話は後で申し上げますけれども,庁舎そのものもそうでありますが,庁舎の前につくられる緑,公園,こういったものはまちづくりの中では大きな要素を持っていくんではないかなと思っています。ヨーロッパではシティーホールの周辺に大きな広場があって,そこに多くの市民,そして例えば観光客も憩う,そういう場があるわけであります。我々としても,ちょうどここの場所になるんですかね,こういった広場,公園がそういう市民の憩いの場,またにぎわいの場,こういったことになれば非常にいいんではないかなというような思いは持っているところであります。今後の話でありますから,これからは皆さん方のそれぞれの思いも聞きながら詰めてまいりたいと思っております。
 それからまた,新庁舎の備えるべき機能でありますが,市民窓口機能,交流・協働機能,防災拠点機能,執務機能,議会機能などを考えているところであります。今後,具体化していきたいと思います。
 事業手法でありますが,これも二嶋議員の御指摘のように従来型の手法にこだわる必要は全くないと思っています。PPP,PFI,そういった手法も検討しながらやっていかなければならないと思っています。
 次に,G20の話も少し申し上げたいと思います。エクスカーション,プレイベント,サイドイベント等の問題,そして将来の姿の問題でありますが,プレイベント,サイドイベントというのは,もちろん我々が行うのは保健医療のこういう分野でありますから,そういったものを一層充実させていくという視点を欠かしちゃならないと思うんですが,それ以外にも例えば子どもたちの国際性といいますか,せっかく主要先進国20カ国,そしてそのプラスアルファの方が来られるわけですから,そういったものを高めていくということも必要なんじゃないかなと思います。エクスカーションについても,先ほど言った岡山の保健医療分野の先進的な取り組みを発信することはもちろんでありますけれども,県内の歴史・文化遺産もぜひごらんをいただきたいなと思っているところであります。
 それから,岡山の保健医療の目指す姿でありますが,今後議論していく話でありますけれども,ただ協議会を今設置してやっているところでありますが,それぞれ参加する団体が岡山における保健医療の将来的な姿というのを今それぞれの方が持っていると思います。それらが今後一つの姿を共有していく,そういったことが重要なんじゃないかなと思っているところであります。そして,最終的に市民の皆さんにそういう考え方が浸透していく,そういった流れが重要ではないかなと思います。
 岡山市としては今,今回のSIBを活用した健康ポイント事業を初めとして健康増進的な施策を多くやらせていただいているところであります。そういった事業とか,またAIなどの先進技術を活用したことも考えていこうと思っているところでありまして,そういった事業についてもそういう協議会ではこういう将来的な姿の一つとして我々も積極的に発言していきたいなと思っているところであります。今後,もう一年切りましたから余り悠長なことは言ってられないんで,どんどん詰めてまいりたいと思います。
 以上です。
   
◎山口博史政策局長
   岡山駅周辺の将来展望についての項,岡山駅周辺の位置づけについてお答えいたします。
 岡山駅周辺は,山陽新幹線や在来線7路線が東西南北に広がる交通結節点に位置する岡山の顔と言うべき岡山駅を中心に,それぞれ異なる機能を持つ東口,西口エリアがございます。東口エリアにつきましては,主に商業・業務・集客施設等,高次な都市機能が集積しており,議員御指摘のとおり目に見える形で大きな動きが出てきております。一方,西口エリアにつきましては,コンベンション施設や教育機関,スポーツ施設が集積するとともに,商店街では新旧が共存するレトロな雰囲気も楽しめるメリットを生かし,若者をターゲットにした店舗も開設されるなど新たな動きも見られています。こういった岡山駅周辺地域が持つさまざまなポテンシャルを認識し,民間の力も生かしながら,政令指定都市岡山の玄関口にふさわしいものとなるよう,にぎわいと魅力を一層高めるための施策を関係部局と連携して進めてまいりたいと考えております。
 以上です。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   同じ項,岡山駅周辺の将来展望に関する御質問に順次お答えいたします。
 まず初めに,路面電車の乗り入れに関連する今後の動きについての御質問でございます。
 路面電車の駅前広場への乗り入れに関しては,現在,都市計画や環境アセスの法的手続を進めているところでございます。また,乗り入れに伴い桃太郎像や噴水周辺のにぎわい空間,歩行者動線に変更が生じることなどから,駅前広場全体のデザインについても検討することとしております。検討を進めるに当たって,先般,デザイナーの選定を行ったところであり,今後デザイナーが提案した案をベースに有識者から成るデザイン部会での議論や関係者等との調整を踏まえ,具体のデザインの決定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
 続きまして,駅前広場のデザインに関するパブリックコメントの主な内容についての御質問でございます。
 パブリックコメントでは,最適提案者となったデザイナーによる駅前広場を後楽園に見立てる提案につきまして,広場だけでなく駅舎も含めたデザインであることを大きく評価したい,伝統的で岡山らしさを感じるなどの御意見をいただきました。また,全てのデザイン案に対する全体的な意見として,大きな屋根を設置するのではなく,晴れの国おかやまの特徴である気持ちよい空の広さを感じられるような空間にしてほしいという御意見も複数いただいたところでございます。
 続きまして,東口再開発事業における駅前広場のデザインとの関係性,進捗状況についての御質問でございます。
 駅前町一丁目2番,3番,4番地区の再開発事業につきましては,民間によって施行される予定であり,現在本市において都市計画決定に向けた手続を進めているところでございます。また,当該地区の準備組合は来年度以降,都市再開発法に基づく組合設立を目指して事業計画の素案を検討中であり,本市といたしましては,駅前広場のデザイン案を準備組合に情報提供し,駅前にふさわしい再開発事業となるよう連携を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして,駅西口における再開発などの動きについてでございます。
 岡山駅西口に隣接する駅元町11番地区におきましては市街地再開発準備組合が組織されており,現在,準備組合にて概略事業計画の素案を検討しているところでございます。
 続きまして,大きな2番目の項になります。本庁舎の建てかえとまちづくりについてのうち,都市開発の動向も踏まえた上での将来的な路面電車の整備に関する御質問にお答えいたします。
 路面電車は,定時性が高く経路がわかりやすいなどの特徴があることから,市役所周辺へのアクセスも含む中心市街地の移動を支える有効な公共交通の一つとして,他の交通機関と連携しながら充実させる必要があると考えております。このため,今年度,中心市街地におけるさらなる移動の円滑化や回遊性向上を図るため,路面電車の将来ネットワークのあり方について,現在実務的な検討を行っているところでございます。
 以上です。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   京橋周辺のまちづくりについての項,市としての協力とそれから効果についての御質問にお答えいたします。
 岡山芸術交流と瀬戸内国際芸術祭との連携強化は前回からの課題でございまして,その強化を図る上で航路利用は有効ではないかと考えられます。そのため,市としましては,今議会に補正予算を提出しておりますが,船の乗降における安全性の確保という視点から簡易な船着き場を整備していきたいと考えております。両会場が航路で結ばれることにより,より多くの市民や観光客に両会場を訪れ芸術への興味,関心を高めていただくとともに,さらには京橋の船着き場で乗降されることにより表町商店街など京橋周辺はもとより中心市街地に波及し,回遊性の向上やにぎわいの創出に寄与するものと期待しております。
 以上です。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   大きな4番目,桃太郎線LRT化についての御質問に順次お答えいたします。
 沿線地域の方々の御意見を伺う会の開催時期,新駅の考え方や設置案につきましては,自民党の松田議員にお答えしたとおりでございます。
 続きまして,基本計画の策定に関する調査内容などについての御質問にお答えいたします。
 桃太郎線LRT化基本計画策定に係る今年度の委託業務については,主に併用軌道区間や新駅設置,駅前広場やアクセス道路の整備などに関する検討を行うものです。新駅設置の考え方や設置案については年内に,また併用軌道区間,駅前広場,アクセス道路についても案ができ次第,順次地域の方々にお示しし,御意見を伺いながら基本計画を取りまとめていきたいと考えております。
 以上です。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   大きな5,健康福祉・環境都市岡山についての項,健康寿命の延伸,フレイル対策についてお答えします。
 まず,本市の取り組みについてです。
 フレイルとは加齢とともに心身の活力が低下し虚弱な状態となることであり,本年4月には国からフレイルに着目した対策を推進するようガイドラインが示されています。岡山市では高齢者約18万人のうち最大で約6万人がフレイルとなる可能性があると推計され,健康寿命の延伸,介護予防のために早期の対策が求められています。このため,岡山市ではフレイル対策の取り組みとして効果を生む介入,支援を行うべく,個々のフレイル該当者に対して状態の把握と原因究明,具体の予防活動への結びつけのための体制構築について,高齢者の介護予防事業を行っている介護予防センターや医療関係団体などの専門職とともに取り組むことが必要と考えています。現在,来年度の事業実施に向けて関係団体との相談,協議等を進めているところです。
 次に,オーラルフレイルの啓発,予防事業の進め方,サポーター養成事業についてです。
 まず,啓発,予防事業については,介護予防センターや地域での歯の健康教育においてお口の体操等を取り入れるなど,啓発や予防に取り組んでいるところです。また,岡山市歯科医師会を中心に啓発資料を作成中であり,今後,各種医療機関の待合等に掲示するなど活用を検討していきたいと考えています。高齢期における口腔機能の維持,向上の重要性については,市民はもちろんのこと,まずは医療,介護等にかかわる関係者の認知度を高める必要があります。サポーターとして市民に働きかけることも重要ですが,より適切な支援を行うために歯科医療関係者など専門職の関与について関係団体と相談しながら進めてまいります。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。市長もありがとうございました。
 それでは,再質問に入らせていただきます。
 まず最初に,東口と西口の再開発,それに伴う駅周辺の将来像の展望についてお尋ねさせていただきました。
 岡山市も推計しているとおり,2020年,東京オリンピック・パラリンピックをピークに人口が減少していくと。そういった人口減少時代を見据えて,政令指定都市として,とりわけ新幹線が走っている駅として岡山駅があれば神戸市,広島市にもあるわけでありますけれども,そういった都市間競争に勝ち抜く施策の強化,まだ人口が微増している状況でありますので,ふえている今だからこそ定住人口をふやす施策の強化を図って強い経済をつくって優位性を持った岡山市にしていかなければならないということは,市長は当然今までの議会の中でも述べられてきたことだと思います。そういった新たな都心,岡山市の新しい形を目指す上で今回,この東口,西口の再開発に伴っての岡山駅周辺のあり方をいま一度,いま一度といいますか今回,路面電車の乗り入れであったり駅前広場の整備が進むわけでありますので,この時点で方向性をある程度しっかりと考える必要があるんじゃないのかなと私自身考えているわけであります。
 そういった質問でありますので,政策局長から大体は答弁をいただいたわけでありますけれども,東口,西口ゾーン,それぞれをつなぐ駅全体の中で東口と西口のゾーンの役割,機能,方向性をしっかりと整理していかなきゃならないんじゃないかなと感じているところであります。東口は先ほど言われていたとおり商業であったり人が集積するような場所であるけど,西口はそういった状況とは少し,若干……,コンベンションは行われていますけれども,そういった意味で何か方向性を整理する必要があるのではないかなと思うわけであります。政策局長も岡山に来られてまだ間もないわけでありますので,市長,岡山市のトップとしてこの東口,西口ゾーンの役割,機能とか方向性,そこのあたりの整理の必要性をどう考えられているのか,御所見があればお聞かせいただけたらなと思うわけであります。
   
◎大森雅夫市長
   今,二嶋議員ね,東口,西口とおっしゃられましたけども,今JRでは後楽園口,そして運動公園口という言葉も使っていますよね。もちろん東口,西口でも通用するんですけど,それは一つの性格をあらわしているところがあると思うんです。観光のポイントである後楽園,岡山城に行く道,そしてどちらかというと経済的に集積しているところが後楽園口,東口であるわけであります。そういう面で乗降客も東口におりる人のほうが多いわけであります。我々市民もおりてすぐにどういう広場の様子が見られるのか,また岡山に来た人もこの広場を見るだけで岡山らしさというものがわかる,こういったものが私は望ましいんじゃないかなと思っています。そういう面で今回,後楽園をイメージした広場を提案したデザイナーが選ばれたというのは,私にとってもいいことだなと思っているところであります。
 西口については,今コンベンションの話もありました。奉還町商店街もあります。また今,住宅も随分マンションが建っていますね。そういったこととともに,やはり運動公園という要素は大きく,シーガルズそしてファジアーノ,今度はリベッツまでその運動公園で競技をしている,こういうのも一つの特徴だろうと思っています。もちろん岡山大学もありますし,そういったことを踏まえながら一つ一つのイメージをつくっていく,こういった作業が必要なんだろうとは思っているところであります。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。
 本庁舎の建てかえについて少しお尋ねさせていただきます。
 ことしの11月の定例市議会開会日において市長のほうから所信表明がありまして,改修と2つの建てかえ案を検討した上でこの本庁舎機能と北区役所機能を全て集約すると,建てかえ案で整備していくと決定したというふうな発表がありました。その前日に我々自由民主党岡山市議団が来年度の予算に向けて市長のほうに政策提言させていただいた中にもこの項目がありました。その中では早期事業化ということで,ぜひそこのあたりはしっかり応援していきますよと。しかし,今回の7月豪雨災害を受けて,とりわけ防災機能に対してどうしていくんだというふうな焦点があったと思います。そういった意味では合併地区,瀬戸,御津,建部,灘崎,そういったところの支所機能がある意味災害のときに有効だったと我々自民党岡山市議団の中では共通の認識として意見交換したわけでありますけれども,じゃあ今の現地域センターがどうだったかというと,市民の声からいきますとまだまだ不満の声もあったと。だからこそこういった機能を上げていってほしいという提案を今回の政策提言の中でさせていただきました。
 市長も御存じのように岡山市は約72万人いて,北区は総人口の43%を占めている。総面積も全体の57%を占めている。ここから森田先生のいらっしゃる建部のほうまで行くには1時間半車で走らせていく状況で,広い地域であります。そういった中で,この市長が発表された建てかえ案での整備をしていく方針を決定した。今現在,この7月豪雨の災害において課題の抽出検討作業を進めている中で,また市民の声もこれから聞いて取りまとめていく中で,なぜ改めて本庁舎機能と北区役所機能を集約する建てかえ案になったのか。ここがどうしても疑問なので,市長のお考えを改めてお聞かせください。
   
◎大森雅夫市長
   今回の議論は,いわゆる耐震補強でいくのか,それからあとは建てかえ案の2種類をライフサイクルコストで見ていくとなったときに,今のように一定集約して,今の機能を集約してこの大供公園のところに建てるのが最も合理的ではないかということでその3つの案について一つを選ばせていただいたということであります。先ほど二嶋議員ね,PFI,PPPの議論もありますし,いろんな考え方,事業手法,機能の議論もあると思います。そこはまた市民の皆さん方,市議の皆さん方とも議論しながらやっていくべきだろうと思っているところであります。ただ,そういう面で今,北区役所と本庁舎の機能,これは現在こういう形で北区役所と本庁舎が一緒になっている。この利便性というのは市民にとっても行政にとっても全体として見れば高いものだろうと認識しているところであって,したがって我々としては一体となってやったほうが市民全体,市役所全体から見てプラスだろうという判断をしたところであります。今後さまざまな議論を重ねていきたいと思っています。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございました。この本庁舎と区役所の合築に関しては,私も他の政令指定都市の状況がどうなのかなということを調べさせていただきましたら,とりわけ今新しくなった政令市においては合築が多いとなっています。しかし,今回7月に豪雨がありました中で支所機能の優位性,そして地域センターはもう少し頑張って供給サービスをしっかりと上げていってほしい,そういった意見を集約すると,果たして区役所を合築することがいいのかなというふうな意見も周辺地域,とりわけ私のエリアではありましたので,そこのあたりもしっかりと地域の声も聞いて,また我々としっかりと意見交換もしながら,またその方向性についてもいろいろと考えていっていただきたいと思いますので,ぜひよろしくお願いいたします。
 そして,京橋周辺のまちづくりについてお尋ねいたしました。荒島局長,ありがとうございました。京橋護岸に船着き場を整備していただけるということであります。それは本当にありがたいことで,前進していっていることですのでいいわけでありますけれども,私は前回の9月議会でこれを質問させていただいて,今12月。3カ月足らずではありますけれども,この点において市長から答弁も前回の9月議会でいただきました。どういった点からフィージビリティーを確認できたのか,そこのあたりについて御所見をお聞かせください。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   民間の動きが一つの大きなきっかけでございます。具体的に瀬戸内国際芸術祭と京橋とをつなぐルートで船を運航されると,そういうような動きが見えてきたということで,先ほども申しましたけれども,瀬戸内国際芸術祭とそれから岡山芸術交流との連携をもっと強化していかないといけないということは前回の開催が終わってから大きな課題となっておりましたので,その中で航路で連携するというようなことも一応案として考えていっておりました。そういうふうな状況の中で民間の動きがある程度見えてきたというようなことで今回,補正対応させていただくということでございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。まだ新会社──岡山京橋クルーズですか──とどういった連携をしていくのかといったことはこれからの打ち合わせになってくるんだと思います。詳細についてもこれからだと思いますけれども,当局側が考える連携とか役割分担,現時点でイメージされているものが何かあればお聞かせいただけませんか。
   
◎荒島茂樹市民生活局長
   役割分担等についてはこれから具体的に話し合いをしていくことにはなりますけれども,船着き場を整備して,じゃあそこの施設の管理をどういう形でやっていくのかということは,実際に運航しておられるところと話し合いをして取り決め等を行っていく必要があろうかと思います。そういった施設の管理とは別に,京橋でおりられた方々を周辺の地域へどう波及させていくかという点においては関係局で必要な対策等を市としてやっていく必要があるのではないかなと思っております。
   
◆二嶋宣人議員
   ぜひ京橋,千日前を含めて一体的にまちの活性化につながるような取り組みをまた官民連携でしっかりやっていただきたいなと思っておりますので,応援団の一人としてよろしくお願いいたします。
 そして,桃太郎線LRT化についてもお尋ねさせていただきました。松田議員も先ほど私の前に質問されました。1年程度を目途に基本計画を策定していくということであり,この議会が終わって地域に入っていくということであります。その地域に入っていく流れとして,まずは連合町内会長等々から入っていって全体の市民の声を聞いていくのか,そこのあたりに関してイメージされている地域への入り方を確認させてください。
   
◎栗田泰正都市整備局都市・交通・公園担当局長
   今後の地域への入り方については,速やかに入っていくということで,最終的には地域の多くの方々に当然説明していくんですが,まず最初の入り方としてどういうふうに入れば結果的に地域の方々のいろんな意見を集約する上で効率的になっていくのかということも含めて今整理中でございます。そこら辺を今後検討した上で,目的は地域の方々の意見を集約して丁寧に進めていくということでございますので,そのための効率的な方法で取り組んでいきたいと思っています。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   なぜこういった質問をするかというと,LRTの質問を他の議員もしていますけれども,この基本計画策定をしていますよだけであって,なかなか情報発信がなされてこない。当然いろんな意味で調整しなきゃいけないところもあるとは思うんですけれども,そこのあたりはこういった議会であったり委員会であったり,またそういった市長の定例記者会見であったり,そういったものでしっかりと発信していただく。町内会長とその周辺しかわからない情報ではなくて,全体的な情報発信をこの基本計画の策定中にもぜひしていっていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
 最後に,健康福祉・環境都市の岡山についてもお尋ねさせていただきました。局長,ありがとうございました。またそれで,市長のほうからも御答弁をいただきました。今会合の開催に当たって,私ひとつしっかりと取り組んでいってほしいなと思うのが,地域も巻き込んだ事業にしていっていただきたいなと思っているわけであります。先ほど子どもの国際性であったり保健医療の視点でしていかなきゃいけないということは十分わかるわけでありますけれども,この地域のかかわりについて,御所見があればお聞かせください。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   G20保健大臣会合の目指すべき姿については,保健医療の専門家の部会をつくりまして,その中で協議しております。私も議論の中に入らせていただいて取り組みを進めていこうと考えております。この中ではやはり関係団体の方からの御意見をしっかりいただいて,関係団体の方が果たすべき役割,それからその中で例えば10年後にどんな岡山市の健康づくりの施策をしていくかというあたりも含めた議論を進めているところでございます。その中で今,二嶋議員がおっしゃられた地域性という視点も踏まえて議論を進めていくべきだと思っております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   日本で初めて開かれるG20サミット,またこの保健大臣会合が岡山で開かれる。こういった機会はめったにないわけでありますので,これを機にまた目指す姿をしっかりと定めていく。ぜひこれは理念だけではなくて,その先を見据えてしっかりと施策,事業につながっていくような取り組みにしていっていただきたいと思いますので,局長,そのあたりよろしくお願いいたします。
 そして,最後の質問であります。健康寿命の延伸でフレイル対策についてお尋ねさせていただきました。岡山市も18万人のうち6万人がフレイルになる対象だと聞いたんですけれども,先ほどG20の保健大臣会合の開催についても触れさせていただきました。ぜひこれをいい機会として捉えて,このフレイルの情報発信,関連事業の充実を図る展開をぜひ組み込んでいっていただきたいなと思うわけでありますけれども,この点に関しての御所見をお聞かせいただいて私の最後の質問とさせていただきます。
   
◎森安浩一郎保健福祉局長
   フレイル対策ですが,今フレイルの基準自体もいろんな説もありまして,18万人のうち最大でも6万人ということで,ただやはりフレイルが疑われるというんですか,そういうふうな状態になる方は非常にたくさんふえていくのではないかと考えております。そこの対策については今,二嶋議員がおっしゃられたようにG20の保健大臣会合の中でも高齢者への対策というのも取り上げなければいけないのではないかということもお聞きしております。そのことも踏まえながら,我々としてもフレイルの対策,フレイルにならないようにどうチェックしていくか,どういうふうにフレイルの状態にならないようにしていくかという対策について,来年度以降になりますけれども,事業展開していきたいなと思っております。
 以上です。