平成24年 9月定例会 - 9月13日

◆二嶋宣人議員
   おはようございます。自由民主党岡山市議団・無所属の会の二嶋宣人です。
 傍聴席の皆様方におかれましては,午前中の大変お忙しい中,この岡山市議会に足をお運びいただきまして本当に感謝を申し上げます。今議会も元気いっぱい頑張ってまいりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 今回,私は一問一答方式で質問を行い,3つの大項目で質問させていただきます。歴史的な建造物等の保存と地域観光振興について,防災対策について,そして救急医療体制の整備についてです。
 それでは,早速ではございますけれども質問に入らせていただきます。
 1,歴史的な建造物等の保存と地域観光振興について。
 力をいただく,気があふれているなどが人気の理由で多くの若い年代の人たちがパワースポット,スピリチュアルスポットと呼ばれる神社仏閣に訪れています。岡山市内でも,私の地元吉備の中山の山麓にある吉備津神社は,幾つかあるパワースポットの中でも有名な場所だそうです。桃太郎伝説発祥の地でもあり,吉備津彦神社ほかたくさんの歴史的な文化財などは,本市にとりましても重要な観光資源であります。
 吉備津彦神社の本殿は,岡山県重要文化財に指定されており,吉備の国の神社建築が伝統とする「流造」の正統な姿を示す社殿です。しかし,築後三百有余年が経過していることもあり,檜皮ぶきの屋根は老朽化し,早期の修復工事を要しているところでございます。
 ここで質問をいたします。
 ア,文化財建造物の外観などの保存を支援する施策,また災害発生時における緊急保存処置,耐震化などといった防火・防災対策の本市の取り組みについてお聞かせください。
 イ,今後,市民共有の歴史的遺産の保存を支援する仕組みとして,税制面の軽減措置,建造物の公開などによる普及啓発,建造物を有効に活用しながらの保存推進対策については,どのようにお考えでしょうか。
 ウ,京都府では,ふるさと納税制度を文化財保護のための基金として活用しています。また,地元出身者だけを主な対象とするだけではなく,全国の京都ファンや京都を訪れる観光客にも基金を呼びかける取り組みをしています。例えば,本市でもホームページなどを利用して,ももたろう文化財サポーターと銘打って文化財保護基金のPRができないものでしょうか。
 エ,今吉備津彦神社本殿の屋根などの修復工事が計画されています。歴史的文化財の補修工事にはお金がかかります。そこで単刀直入にお伺いいたしますが,今回の工事費は約1億4,000万円程度かかるとも言われています。本市からの保存工事費の助成はできますでしょうか。また,県,市の連携体制はどのようになっているのでしょうか。
 さて,平成23年岡山県観光客動態調査で,県の総観光客数は前年比177万1,000人減と,平成以降最も少ない結果となりました。岡山の顔でもある市管轄の岡山城の観光入り込み客数は20万1,348人,対前年比108.9%,県営の後楽園は66万3,978人,対前年比は95.3%ですが,岡山城,後楽園の観光入り込み客数を足しても,残念ながらお隣の倉敷市の美観地区観光客数323万人の約4分の1という現状です。
 岡山の昔から積み重ねられてきた豊かな文化の歴史をしっかり守っていくために,本市が都市ビジョンとして掲げた魅せる歴史と文化プロジェクトの中での岡山城,後楽園などといったいわゆる都心部観光,吉備津彦神社,吉備津神社などといった広域観光について幾つか質問をさせていただきます。
 オ,岡山城は,隣接している後楽園と比べてここ数年間,観光客数の差が約50万人。本市においては,もちろん問題・課題点を分析していると思われます。倉敷美観地区などといった県内市町村との連携も必要と考えられますが,本市の都心部観光と広域観光の魅力向上のための今後の具体的施策についてお示しください。
 カ,観光戦略を描く上で重要な吉備路観光の幹線ともなる総社までつながっている吉備路自転車道のあり方,整備などについて本市はどのようにお考えでしょうか。
 以上で大項目1の質問を終わらせていただきます。
 答弁のほどよろしくお願いをいたします。
   
○則武宣弘議長
   当局の答弁を求めます。
   
◎高次秀明経済局長
   歴史的な建造物等の保存と地域観光振興についての項で,都心部観光と広域観光の魅力向上のための今後の具体的な施策,吉備路観光についての御質問に一括して御答弁申し上げます。
 岡山の城下町形成の歴史と文化を今に伝える岡山カルチャーゾーンは岡山の顔であり,観光の核でもございます。その中で,岡山城,後楽園の相乗効果を高めることは重要であり,岡山城の魅力アップ,さらには両施設の一体感の演出に努めているところでございます。
 具体的には,今春,備前焼工房を岡山城天守閣に移転し,また春から夏にかけて天守閣前芝生広場で甲冑隊との記念撮影や甲冑着せかえを行うなど,体験型施設としてのメニュー充実を図っております。また,一昨年から岡山城を会場としたおかやま城下町物語を春夏秋冬の年4回開催しており,昨年からは宇喜多秀家と豪姫コンテストを同時開催し,またことしは宇喜多軍の大行列が市内に繰り出すなどイベント展開も強化し,お城の魅力アップを図っております。
 一方,後楽園の夏の人気イベントであります幻想庭園の開催に合わせまして,岡山城でも明かりをテーマにした烏城灯源郷を開催し,両施設の間を明かりで結ぶなど一体感を演出し,観光客の皆様に御好評をいただいております。さらに,ことしの秋には岡山芸術回廊が昨年のプレ開催に続き岡山城,後楽園周辺を会場に開催されるなど,歴史・文化ゾーンを一体的な観光資源として活用し情報発信しようとする取り組みも行っております。
 今後はこうした取り組みに加えまして,出石しろまち工房を拠点に出石地区の魅力創出・発信を行いながら,カルチャーゾーン全体として観光の魅力が高まるように取り組んでまいりたいと考えております。
 次に,吉備路や倉敷美観地区等を含む広域観光につきましては,それぞれ関係市町とともに広域連携協議会を組織し,観光ルート開発や観光資源の広域への情報発信に取り組んでおります。今後,岡山を起点に周辺観光するスタイルが根づいていきますよう,引き続き広域観光の魅力アップを図りたいと考えております。
 中でも,吉備路につきましては古代の歴史ロマンあふれる地域であることから,吉備津彦と温羅の伝説など,ストーリー性のある観光素材の充実を図るとともに,それを活用したイベント展開も行っております。また,一昨年度からJR吉備線各駅前の観光案内看板を順次リニューアルしておりますが,いずれも各地域の特徴をデザインに生かすなど工夫をしております。今後も引き続き,吉備路自転車道も含め,吉備路エリアを観光される方々に歴史ロマンを感じていただけるようなサインの設置やイベント展開を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◎山脇健教育長
   歴史的な建造物等の保存と地域観光振興についての中で,文化財建造物の保存を支援する施策,防火・防災対策の取り組み,そして税の軽減措置,建造物の普及啓発,保存推進対策,また文化財保護基金,吉備津彦神社本殿の修理についてのお尋ねに一括してお答えをさせていただきます。
 岡山市では,文化財に指定された建造物につきましては,保存修理工事や防災施設の整備を行うときに補助金制度というものがあります。税の軽減措置といたしましては,固定資産税が免除されるというふうになっております。防火・防災対策につきましては,文化財防災マニュアルの活用,文化財防火デーの消防査察を行い,所有者への助言等にも努めております。今後も岡山市が誇る豊かな歴史のたまものである文化財建造物が,確かな形で保存,継承され,公開,活用が推進できますように,所有者への適切な支援や市民の皆様への普及啓発に努めていく所存でございます。
 基金設立につきましては,文化財保護への市民参加のあり方の一つとして,これは研究させていただければというふうに思います。
 吉備津彦神社本殿につきましては,屋根の傷みが激しく,修理工事が必要な時期に来ているというふうに考えております。修理工事計画が文化財指定の主体者である岡山県によって補助金交付事業として採択されれば,指定文化財等の保存事業補助金交付要綱に基づいて予算の範囲内で本市からの補助も可能でございます。今後も県とそのあたりにつきましてはしっかり連携,調整を図っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。
 そうしましたら,吉備津彦神社の件で再度少し確認をさせてください。
 県との連携ということで,なかなか答えにくい部分があるのかもしれません。県が決まればお金がおりるということなんですけども。今すり合わせの中で大体時期的なもの,改修に入れる,予算を組めれる時期,そのあたりがもし具体的にわかれば,お話しいただけるのであれば教えていただけたらと思います。
   
◎山脇健教育長
   吉備津彦神社の改修の始まる時期についてのお尋ねでございますが,先ほども言いましたように,これは県の指定文化財でございますので,まずは県の方向というものが決まる必要がございます。その中で,市としても今後支援していく,補助金を出していくという形になります。県としては今金山寺だったですかね,県の指定の金山寺護摩堂,そして西大寺の広谷のほうにある市の指定の如法寺無量寿院という寺院の工事を今行っておりますので,そのあたりのひとつけりがつかないと次に進めないというようなことはお聞きをしております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 そうしましたら,じゃあその金山寺,それからもう一つ市の文化財,それが終われば次が吉備津彦神社と考えて,その答えとしてとってよろしいんでしょうか。
   
◎山脇健教育長
   はっきりと今の時点でこうですということはなかなか申し上げられません。やはり,主体者である県の方向性がはっきり決まることがまずは必要でございます。しかし,そのあたりにつきましても,先ほども言いましたように県と市でしっかり連携をとって,連絡をとり合いながら調整を図っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 次に必ず吉備津彦神社の改修工事の予算が組まれるよう,市のほうからもバックアップしていただくことをよろしくお願いいたします。
 続いて,大項目2に移らせていただきます。
 2,防災対策について。
 ことしの7月は,活発な梅雨前線などの影響で猛烈な雨が降り,土砂崩れや川の氾濫によって全国各地で相次いで大きな被害が起こりました。特に九州北部の豪雨で被害が集中した熊本県阿蘇外輪山内で,計21人の死者が出た15カ所の土砂災害現場のうち,9カ所が土砂災害防止法で定める土砂災害警戒区域に指定されていないことがわかりました。
 岡山市内でも1時間55ミリメートルもの雨量が観測され,私の地元でも土砂災害危険箇所,土石流危険渓流に指定されている笹ケ瀬川水系の蕗ノ谷川上流のヒューム管から土砂が流出し,土道がえぐられ,排水溝には土砂などが詰まり,民家のブロック塀が倒れ,床下浸水などの被害が起こりました。
 ここで質問をいたします。
 ア,本市の北部では,7月初めの局地的な豪雨による被害が多かったと聞いておりますが,岡山市内の公共土木施設の被害状況についてお聞かせください。
 イ,土砂災害警戒区域,土砂災害特別警戒区域についての危険の周知対策,警戒避難体制の整備,特定開発行為の制限,住宅等の新規立地抑制などのソフト対策はどのように行われていますか。
 ウ,本市の土砂災害防止などのハード対策,取り組み状況についてお聞かせください。
 エ,岡山県の土砂災害危険箇所,土石流,地すべり,急傾斜地は1万1,999カ所,そのうち岡山市は1,362カ所あります。今回,熊本で起こった土砂災害でもわかったように,土砂災害警戒区域に指定されていなくても,想定外の被害に見舞われる可能性は大です。本市独自に土砂災害危険箇所,土砂災害警戒区域などの再チェックを行ってはいかがでしょうか。
 以上で大項目2の質問を終わらせていただきます。
 答弁のほどよろしくお願いいたします。
   
◎山崎康司都市整備局長
   大項目2,防災対策についての御質問をいただきました。順次お答えいたします。
 まず,7月初めの局地的な豪雨による公共土木施設の被害状況についての御質問にお答えいたします。
 本年7月の梅雨前線豪雨による公共土木施設の被害につきましては,崩土撤去等も含めて道路の災害が161件,河川の災害が28件の合計189件でございます。
 続きまして,土砂災害警戒区域等の危険の周知対策,警戒避難体制の整備,特定開発行為の制限,住宅等の新規立地抑制などの対策についての御質問にお答えいたします。
 土砂災害から国民の生命を守るため,平成12年に土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律──いわゆる土砂災害防止法です──が制定されました。この法律に基づき,県において土砂災害危険箇所の基礎調査を行い,土砂災害警戒区域の基準に該当する区域については,県と市が連携して地域住民に区域の範囲や危険性について周知を行った後,県知事が区域指定を行うことにしております。
 警戒避難体制の整備といたしましては,地域防災計画の中で土砂災害警戒区域ごとに主な避難場所や収容人数等を定めております。土砂災害特別警戒区域につきましては,現在のところ本市には区域の指定はございませんが,この区域に指定されると,開発行為の制限や建築物の構造規制,既存住宅の移転勧告等が行われることになっております。
 続きまして,土砂災害防止等のハード対策,取り組み状況についての御質問にお答えいたします。
 土砂災害のハード面での防止対策につきましては,土砂災害警戒区域の指定とは別に砂防法に基づく砂防事業や急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づく急傾斜地崩壊対策事業などが県において進められているところです。市といたしましても,地域住民等からこれらの事業の要望を伺った場合,県に連絡し,また県とともに現地調査を行い,一定の要件に該当すれば事業化に向けて,法律に基づく区域指定に必要な資料の作成や地域住民等と調整をするなど,県と連携し,また役割分担をしながら防災対策に取り組んでいるところです。
 この項,最後ですが,本市独自に土砂災害危険箇所,土砂災害警戒区域等の再チェックを行ってはどうかとの御質問にお答えいたします。
 現在,県において土砂災害危険箇所の中から基礎調査により基準に該当する箇所について,土砂災害警戒区域として指定すべく市も連携しながら鋭意進めているところでございます。
 また,区域指定に向けて現地調査に入った際には,現在においても当該危険箇所だけでなく,周辺の状況の確認や周辺住民からの聞き取り等を行い,危険と思われる箇所については県に対し土砂災害危険箇所として追加調査を依頼するなど,危険箇所の把握に努めているところでございます。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 土砂災害危険箇所等々で今基礎調査の見直しをしているということなんですけれども,県内に約1万2,000カ所,そして岡山市の中にも千数百カ所あるということなんですが,この土砂災害危険箇所の市民の方への周知徹底はどういった形で行っているのかお聞かせください。
   
◎山崎康司都市整備局長
   土砂災害危険箇所の市民への周知ということでございますが,6月が土砂災害防止月間ということで,大雨が降る際の危険の周知等々市民のひろば6月号で市民の方にはお知らせをしているということでございます。また,現在の土砂災害危険箇所,それから土砂災害警戒区域につきましては,市のホームページに表示しましてお知らせをしているという状況でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 市民のひろば,それからホームページ等々でも周知徹底を図っているということなんですけれども,千数百カ所ある中で,実は私の地元のところなんですが,いわゆる土石流危険渓流とうたわれ岡山県,岡山市とうたっていると。そしたら,やっぱり何かしらの形で岡山県,岡山市が守ってくれるんじゃないか,そういった対策をとってくれているんじゃないかというふうに,若干こちらサイドが思っていることと市民の方が思ってるところが違うと思いますので,そういったことはやはり現地の方にしっかりと伝える,そういった仕組みをつくっていただけたらなと思います。そのあたりをしていただきたいという要望なんですけれども,実際今この土砂災害に関してのハード対策については,県が管轄して,市は管理という状況ですよね。いわゆる縦割りの弊害がそこに出ているんじゃないのかなと思うんですよね。
 1万2,000カ所,これから県知事が平成28年度までにそういったところをしっかりと整備していくと言われてたんですけれども,千数百カ所ある岡山市の整備率もきっと低いと思うんですよね。県の中でも26%ほどだと聞いております。岡山市はもっと低いと聞いているんですけど,そのあたりちょっとお聞かせいただけたらと思います。
   
◎山崎康司都市整備局長
   岡山市につきましては,土砂災害危険箇所としては1,362カ所,そのうち310カ所を土砂災害警戒区域に指定しております。約23%ということでございます。
 以上です。
   
◆二嶋宣人議員
   結局,整備率が低いということなので,この1万2,000カ所を見直していってたら,やはりかなりのタイムラグが出てくると思うんですよね。そういった意味でも,やっぱり本市みずからが,1,362カ所でしたか,そのあたりをしっかりと,県がやるのを待っているんじゃなく,現地調査も一緒に行かれているとはいうものの,やはり独自でやっていくべきだと思うんですけれども,そのあたりはいかがでしょうか。
   
◎山崎康司都市整備局長
   土砂災害警戒区域としての指定に関してですが,当然県知事が指定することになっておりますが,県と一緒に現地に入り,また地元に説明し,そして指定すべく調整を行って県知事が指定するということでございますので,県と一緒に今後も進めていきたいと考えております。(発言する者あり)
 確かに23%という数字は低うございますが,市としてもやはり住民の声を聞きながら,まずは県と一緒に残りの部分につきまして指定をすべく取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   結局,二十数%という低い割合です。現地といいますか地域の方は不安,いわゆる危険と隣り合わせなんですよね。そういった意味でも,やっぱり他人任せじゃなく,しっかりとその辺は強いリーダーシップをとって本市がうちがやるんだということで県にももっともっと働きかけをしていただきたい,そう思いますので,これは要望ですけれども,よろしくお願いいたします。
 続きまして,3項目めに移らせていただきます。
 3,救急医療体制の整備について。
 総務省消防庁が発表した平成23年全国の救急出動件数は約570万件,前年より約24万件増,救急搬送人員は約518万人,前年より約20万人増と3年連続の増加となり,過去最多とのことです。本市においては,救急出動件数は2万8,347件,前年より4.6%増,救急搬送人員は2万6,867人,前年より4.8%と増加傾向です。出動件数増加の主な理由は,全国的に急病や高齢者の傷病者の増加ですが,緊急性のない不適切な利用目的のための通報者も目立ってきているのが現状です。
 平成22年の救急車の現場到着までの全国平均所要時間は8.1分,岡山市は8.6分,医療機関収容までの全国平均所要時間は37.4分,岡山市は31.1分と,全国的に見ても前年より時間がどんどん長くなってきています。地域に根づいた救急医療体制を整備していくためには,119番担当者の適切な判断と市民の方の協力が必要不可欠と言えます。
 ここで質問いたします。
 ア,ことし国は救急業務全般のあり方についての検討会を発足しました。今後,高齢化が進み,ますます救急出動件数の増加が予想される中,本市といたしましての119番担当者のあり方,緊急性のない救急出動件数減少などへの取り組みはどのように検討され実施されていますか。
 イ,救急車の現場到着,医療機関収容までの所要時間短縮のための本市の取り組み,また医療機関との連携強化体制についてお聞かせください。
 さて現在,本市が所有する救急車は予備車を含め25台,全て高規格救急車と言われるものです。本市の中山間地域,住宅が密集している地域などには,こういった高規格救急車が進入できない狭隘道路,幅員の狭い道が点在しています。救急車が進入できない場合,救急隊員が何十メートルもの間,ストレッチャーを押して収容に向かわなければなりません。救助に時間を要し,傷病者の容体を悪化させないためにも,近くまで車両が進入でき,少しでもストレッチャーでの搬送距離を短縮する必要があります。
 ここで質問いたします。
 ウ,狭隘道路がある中山間地域などの救急対応の現状をお聞かせください。そして,問題・課題点をどのように分析しているのでしょうか。
 エ,兵庫県姫路市の離島,家島,坊勢島,徳島県の美馬市,宮崎県の高千穂町などでは,高規格救急車よりも車幅40センチメートル,長さ2メートル以上短い軽四救急車が運用されています。狭隘道路がある地域での救急搬送業務の迅速化と効率化を図ること,そして何もよりも市民の方への公平なサービスを行うため本市でも運用してはいかがでしょうか。
 平成22年,心原性かつ一般市民により目撃のあった心肺機能停止傷病者のうち,一般市民による応急手当てが行われた場合の1カ月後生存率は14%,実施されなかった場合の8.8%より高い割合となっています。こういった結果の背景には,AEDが公共施設などのあらゆるところに配備され,応急手当ての重要性が一般市民に広く知れ渡ってきたということも考えられます。
 ここで質問をいたします。
 オ,公共施設などへのAED設置状況はどのようになっていますか。また,狭隘道路がある中山間地域などへの設置状況もお聞かせください。
 カ,一般市民による応急手当ての重要性についての本市の啓発,広報活動の取り組み状況についてお聞かせください。
 以上で大項目3の質問を終わらせていただきます。
 御答弁のほどよろしくお願いいたします。
   
◎高谷茂男市長
   それでは,二嶋議員の救急医療体制の整備についての御質問にお答えをいたします。
 本市では,市民の安全で安心な生活を守るために,迅速かつ的確な対応ができる消防・救急体制の整備を進めているところでございます。こうした取り組みの一環として,本年3月に今出張所を開設,また救急隊を増隊したところであり,引き続き救急車の現場到着時間の短縮を図ってまいります。
 また,医療機関との連携強化につきましては,救急のたらい回しが全国的な社会問題となったことから,救急搬送の迅速化,円滑化を図るため,平成22年度に消防局に救急課を新設し,救急告示施設等との連携の緊密化に努めております。さらに,2救命センター,23救急告示病院などの協力のもと,来年1月に本市において開催されます全国救急隊員シンポジウムを契機として,救急隊員の一層の資質向上と医療機関との連携強化につなげてまいりたいと考えております。
 その他につきましては,各担当からお答えをいたします。
   
◎岸堅士保健福祉局長
   公共施設等へのAEDの設置状況についてお答えします。
 中山間地域等への設置状況については把握できておりませんが,多数の市民が利用する施設を中心に,現在小・中学校,公民館など224の市有施設,そのほか病院を初め福祉施設,スポーツ施設,警察署など171施設に設置されているところです。
 以上です。
   
◎長瀬正典消防局長
   市長,保健福祉局長が御答弁申し上げた以外のことについて順次お答えしたいと思います。
 まず,緊急性のない救急出動件数減少への取り組みについてのお尋ねでございます。
 119番を担当する情報指令課員は,救急救命士や救急知識の豊富な職員を配置することとしており,入電時には傷病者の状況把握に努め対応しております。また,救急車の利用につきましては,市のホームページ,広報紙への掲載,ポスターの掲示,さらには応急手当て講習,消防署の見学等のあらゆる機会を捉えて適正利用を促しているところでございます。
 次に,狭隘道路の多い場所での救急対応と課題,軽四救急車の導入についてのお尋ねに一括してお答えいたしたいと思います。
 道路事情の悪い地域の活動は,隊員によりストレッチャーと救急資機材を曳行して実施いたしております。広範囲な市域内には,中山間地域または離島だけでなく,市街地内の戦前の町並みが残る地域についても狭隘であり,状況に応じては初動体制を強化して活動を行っております。軽四救急車は,狭隘な道路も走行が可能でありますが,逆に車両が小型化することにより救命のための資機材を十分に積載できないことから,CPA等本来救急救命が必要な傷病者の処置において,資機材不足,作業空間が不足するなどにより,救急救命士に認められた処置が不可能になるなどの問題点も考えられます。そのため,本市においては初動時から高度な救命処置を念頭に高規格救急車での活動を考えております。
 次に,一般市民による応急手当ての重要性についての啓発,広報活動の取り組み状況についてのお尋ねでございます。
 年間5,000人の救命講習会での啓発活動に加え,今年度は新たに導入をいたしましたeラーニング等によるインターネットを活用した教育を取り入れるなど,より一層の普及啓発に取り組んでおります。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   御答弁ありがとうございました。市長もありがとうございます。
 救命,やはり人の命を預かることですので,しっかりと本市でも取り組んでいくという強い意気込みが感じられた答弁でした。本当によろしくお願いいたします。
 順次質問をさせていただきますけれども,消防局長,軽四救急車の運用について,ばっさり切られたような感じがしたんですけれども。確かに,いろいろと資機材等々もあります。しかしながら,やはり離島に限らず,中心部にも確かにそういった町並みが残ってるところには狭隘道路がたくさんあるわけでございます。そういった意味で,やはり救命率を上げるといいますか,救命率は心肺停止から1分ごとに10%下がるとも言われているわけであります。そういった意味での狭隘道路対策が,ちょっとぼやっとした形での答弁だったんで聞こえなかったんですけれども,現場で働かれている救急隊員の方々からは,そういった問題点の報告等々がないんですかね。そこをお聞かせください。
   
◎長瀬正典消防局長
   全体の救急件数の中で,統計的に見ますと道路狭隘という部分で救急活動に障害があったのは1%弱というふうに考えております。これは,全部報告書の中を拾うとその程度になろうかと思います。じゃあ,その1%というのが,これは確かに人1人ずつ違いますから確かに大きいんですけれども,実際に救急救命について現場へ何を持っていかなきゃいけないかっていう部分は,除細動器でありますとか携帯用の人工呼吸器でありますとか吸引器でありますとか自動心臓マッサージ器でありますとか,それから気道確保用の器具であるとか,静脈路の確保の器具であるとか,これらを全部持っていくわけです。ところが,軽四の救急車にそれだけ全部積めますかという問題もありますし,それを持っていって現場で処置をする,ここまではいいと思います。ただ,それを救急車へ収容する。まず傷病者がそこにはおられます。救命士がおります。隊員がおります。家族がおります。それをじゃあ軽四の救急車の中でみんなちゃんこ鍋状態でできるだろうかと。こうなると,やっぱり高規格救急車ぐらい中で処置のできるスペースがないと,皆さんの御希望にはお応えできないというふうに考えております。
 議員御提案の軽四救急車については,実際に家島,坊勢島,こういうところで今運用されてます。家島,坊勢島というのは,平成19年ごろの市町村合併で,それまで単体の自治体であったのが姫路市と合併したところで,それまでは常備消防のなかった地域です。役場の職員が軽四のトラックで傷病者を港へ運んで,フェリーで運んで対岸の姫路市から救急車へ乗っていたところなんです。それから,高千穂町は今でも実は常備消防のないところなんです。そういう部分を一概に今の岡山市に入れるというのは非常に難しいというふうに考えております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   わかりました。長く本当にわかりやすく教えてくださったと思います。ありがとうございます。
 1%といえども人の命だということだけは,多分同じ認識だと思っておりますので,そういった狭隘道路ですね,幅員の狭い道路での対策についてはしっかりと取り組んでいただきたい。というのが,これもまた私の地元事で恐縮なんですけども,かなり幅員の狭い道が多いもんですから,やはり独居老人,それからお年寄り2人での夫婦,老夫婦ですよね,そういった方々がもし私らが倒れたときに,ひょっとしたら救急対応がおくれて,私らどうなるんじゃろうかという声も若干聞いていますので,そのあたりの対応はよろしくお願いをいたします。これはあえて要望にさせて……,じゃ,局長答えてください,お願いします。
   
◎長瀬正典消防局長
   救急車は基本的に3人で行くことになっております。したがって,乗りかえを一部しているところはありますけれども,出張所はポンプ車3,救急車3という6人で勤務をしておりますけども,場合によっては救急車に4人乗っていくと。そうすれば,物も早く運べるというふうな対応は現在もとらせていただいておりますが,それによって落ちるところもあるので,ケース・バイ・ケースでやらせていただいております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   じゃあ,AEDの件について少し触れさせてください。
 市有施設でざっと224と171あるということなんですけれども,狭隘道路に限らずやっぱり救命を早くする,早く心肺蘇生をするということによって救命率が上がっていくということで,市有施設には設けているものの,じゃあそこまで地域の人が誰々さんが倒れてる,すぐ助けようじゃないかと,しかしながらそういったAEDがない状況もあり得ると思うんですよね。そういった意味で,例えばそのAEDの設置箇所についての検討,いわゆる公会堂とかコミュニティハウスとか,そういったところへの設置は考えられないんでしょうか。
   
◎岸堅士保健福祉局長
   公共施設等へまず整備をしていったのは,利用者が多いということで,年間利用者が3万人前後,前はもっと多いところを順次やったんですけど,3万人程度のところへ今配置しており,先ほど申し上げた数等の配置になっています。そして,議員お尋ねの公会堂とかなかなか救急車等が入れないところですね,そこへ設置ということも,必要性は当然あると思っておりますが,一方で保管場所,それから日常点検,定期点検,そういったことも必要になります。そういうことも考える必要が当然あるので,中山間地域ではなかなか困難な面もあるのかなとは思っているんですが,そうはいっても必要だと思いますので,どのようなことができるかということもひっくるめまして,他都市の状況も参考にしながら研究してまいりたいと思います。
 以上です。
   
◎長瀬正典消防局長
   一般の方がAEDを使うことが可能になってから約5年になりますけれど,この間で救急隊が到着時にAEDパッドが張ってあったのは37件ございます。そのうち使えたのは9件というのが現実であります。そういう意味では,私たちもやっております救命講習の中で,よりAEDが使えるような講習を今まで以上に取り入れていって,少しでも使える人をふやすということ,まだまだふやしていかなきゃいけないということは痛感いたしております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   ありがとうございます。
 パッドが張ってあったのが37件で,そのうちきちっと使えてたのが9件ということなんですが,そうしましたら,例えば今各地域で自主防災訓練等々をやっているんですけども,そこでのAED講習というのは必須になってるんでしょうか。そのあたりちょっとお聞かせください。
   
◎長瀬正典消防局長
   地域の皆さんがやられるいろいろな講習会の中では,地域の要望にお応えしてメニューを決めております。したがって,何がしてほしいかという部分のすり合わせの中で必要があればそこについてはさせていただいております。
 以上でございます。
   
◆二嶋宣人議員
   必要ならばやっていくということなんですが,先ほど保健福祉局長が,中山間地域等々では保管場所とかいわゆる管理の問題が難しいと言われてたんですけども,そういった意味では自主防災訓練等々でAEDを使う訓練は必ずやる,そしてAEDがこういったことで必ず必要なんだよということを認識させていくことが必要だと思いますので,そのあたりはやっぱり実施していくべきだと私は思うんです。その中山間地域で難しい,設置できない,でも今までコミュニティハウス,そして公民館等々でも管理はしているわけですので,難しいことはないと思うんですけれども,できないんですかね,本当に。どういったことがハードルになってるんですか。管理ができないじゃなくて,そういった地域の方にお願いすればできると思うんですけれども,そのあたりお答えください。
   
◎岸堅士保健福祉局長
   できないということではないんですけれども,このAED,保健福祉局のほうで配置してますのは電池切れ等になれば自動的にブザーが鳴るシステムになってます。そんなに起こるとは思いませんけど,鳴ってもそのときに誰もしない,ほったらかしという状態になれば,あっても使えないという状態になります。そういう意味で,日常点検というんですか定期的な点検等はやっていかないといけない。中山間地域で,置いてあるけれどもほとんど誰も見ないという状況になるのは困るという意味で申し上げました。ただ,そこはその地域でやってくださいと,きっちりやってくださいということになれば,また状況は変わってくるとは考えております。そういう面で,困難な面があるということを申し上げたんですが,消防局長が言われたように実際の実例で少ない部分はありますけど,地域での安心感の醸成ということにもつながっていくと思いますので,他都市の状況等も踏まえて研究してまいりたいと考えております。
 以上です。